小学校短歌交流授業、キャリア教育授業
郡上市では、小学校や中学生を対象に短歌教育が行われ、児童、生徒たちは短歌に親しんでいます。
今回、地方創生事業の一環として、郡上市立大和北小学校の3年生~4年生を対象に短歌交流授業、キャリア教育授業を行いました。講師として、全国で活躍する大学短歌会に所属する学生たちが参加しました。
■事業名:小学校短歌交流授業、キャリア教育授業
■場所:大和北小学校
■日時:平成28年2月8日(月)3時間目~5時間目
■参加者:大和北小学校4年生~6年生の生徒、大学生18名(東北大学短歌会、東京大学本郷短歌会、早稲田短歌会、上智大学短歌会、象短歌会、愛知淑徳大学短歌会、同志社大学短歌会、神戸大学短歌会)
開催目的
小学生と大学生とが短歌を通して交流を図り、生徒のコミュニケーション能力や表現力を養う一助となる。
また、大学のない郡上市において、大学の話や将来の話を聞くキャリア教育授業も行い、生徒の将来設計にも寄与する。
開催概要
大学生は短歌講師として各学級・グループに分かれ交流を行った。3時間目は、音楽、体育、国語の授業をそれぞれ行い、4時間目に短歌交流授業を行った。生徒は1年間を通して制作した短歌を持ち寄り、各グループで発表し合った。その後、給食や休み時間も一緒に過ごし、5時間目にキャリア教育を行った。
短歌交流授業の様子(30s)
●参加した学生の感想
■郡上は3回目でしたが、以前より郡上の町をよく知り、楽しむことができたと思います。特に夕食や城下町探索、道の駅が印象に残っています。そして何より大和北小学校の子どもたちとの交流が素晴らしかったです。短歌も、素直にのびやかに表現できていて、こちらも刺激を受けました。とても楽しかったです。
■岐阜を訪れるのははじめてでしたが、自然豊かで食べ物も美味しく、とても良いところだなと感じました。宿も手配していただき、いたれりつくせりで恐縮でした。普段図書館や本屋に行っても、歌集はあまり置いていない印象を受けます。なので歌集だらけのミュージアムは感動でした。私自身は大学に入るまで短歌の魅力を知る機会がほとんどなかったため、小学校における短歌教育の取り組みはうらやましく、推進していってほしいです。
■小学生達はどうも短歌を「57577で物事を表すもの」という認識をしているようで、「短歌が本当に楽しい」というという姿勢があまり見えてこないなと感じている。ただそれでも子ども独自の目線「褒めてもらった、賞をもらった、だから嬉しい」という子どもならではの正直さはあるので、そのあたりを伸ばすことができればよいと思った。
■短歌を通して地域全体がつながる素晴らしいイベントでした。中学生、小学生の子どもたちが作る短歌の自由さ、みずみずしさは、創作者として学ぶところが多かったです。短歌作りと将来の夢を決めることは似ているように思います。どちらも「もやもやした見えないものに言葉を当てはめること」であり、人に教えるのは少し恥ずかしいです。でもそれを共有することで一人では見えなかった新しい視野を得ることができるのだと思います。この度はとても貴重な体験をありがとうございました。
■短歌だけでなく、授業や給食を通じて児童と会話し、心を通わせることができたと感じております。散策できる時間も適度にあったため、ゆったりと楽しく過ごすことができました。小中学生と短歌を通して関わる機会が普段は全くないため、とても貴重な体験でした。
■大学で短歌をつくっていると、「上手く作らなければ…」という気持ちが強くなってしまうと、自分自身感じており、苦しい思いをしていましたが、小学生のみんなは、とても楽しそうに自分の思いを素直に伝えていて、初心を思い出すことができました。1年生のときからやっているだけあって、私よりもずっといい短歌を作っていて、負けられないと思いました。
■郡上の子どもたちは羨ましい。だって、短歌が身のまわりに溢れているから。短歌を詠むのも愉しいし、読んでもらうのも楽しいし、良いこといっぱいで、子どものころから事あるごとに短歌と触れ合えるのは、本当にいい経験だと思った。短歌イベントは、きっと様々なものがあると思う。これからはたくさんの大学生がそれに参加するといいだろうし、郡上の子どもたち、大人たち同士でコミュニティも作れればと思った。
■そもそも、郡上では学校の授業で熱心に短歌に取り組んでいるというのも驚きでしたが、さらに短歌図書館などの施設が充実していたり、今回のような短歌のイベントが設けられたりしていて、しかもそれらの取り組みが、すでに短歌を始めている人や短歌が好きな人だけではなく、まだ短歌のことを知らないけれど興味がある人にとっても十分アクセスしやすいものとなっていて、素晴らしいなと思いました。また、短歌交流授業を受け入れてくださった小学校の先生方が、生徒のみなさんにとってこの授業を通して良い影響が得られるようにと尽力していらして、こちらとしてもモチベーションが上がりました。普段小学生と短歌について話すこともなかったので刺激になりました。各地の短歌会の方々とも交流でき楽しかったです。運営もとても丁寧でわかりやすくて助かりました。ありがとうございました。
■小学生の子たちは積極的に自分の短歌をどうすれば良くなるか聞いてきてくれました。しかし、その一方で宿題として嫌々短歌を詠まされていると感じている生徒も数人見られました。短歌自体がマイナーな文芸ですので最初は全員に作らせて短歌にふれさせていくことは重要なことだと思います。その過程で短歌に興味を持つ子がいれば、宿題の他に別の自由題を設けたり、希望者で歌会をしていけばより積極的に親しんでもらえるかもしれないと思いました。
■すごく有意義な時間をすごさせて頂きました。自然に囲まれた中、小学生のみなさんと「何かをおしえる」というよりは一緒に短歌を楽しみ、ごはんを食べさせて頂いて、また休み時間まで一緒になって遊べたことが本当に幸せでした。4年生のクラスでは歌を歌ってもらい、あまりのカッコよさにすこし泣いてしまいました。また参加したいです。ありがとうございました!!
■普段は大学生や大人の短歌ばかり読んでいるので、中学生との歌会や小学生との短歌交流がとても新鮮で楽しかったです。小学校では想像を遥かに上回る歓迎を受け、短歌以外の時間もお話ししたり校庭で一緒に遊んだりと、滅多に出来ない経験をさせて頂きました。今回の活動で知り合った生徒さんたちとまた会ったり、またこのようなイベントに参加できたらな、と思います。
■このようなイベントが開催されると聞いた時から「岐阜は短歌に力を入れているんだな」と思っていたのですが、うかがった先の小学校の先生方や児童たちの姿を見て、改めて、「すごい教育がされている!」と実感しました。自己表現のツールとして、幼い頃から短歌に親しむということも素晴らしいのですが、それを通じて大人も子どももつながることができるというのは、とてもいいことだと思います。「ほめてもらいたい!」と次々と自信作の短歌を見せてくれる児童、なかなか自信がなくて興味がなさそうにしている児童、いろんなタイプがいましたが、どの子も「ここがいいね」と言ったり、「こんなことがあったんだね」と言うとたくさんの自分の気持ちを話してくれて、「短歌って、コミュニケーションのきっかけになるんだな」と、とても感動しました。