HOME > 平成27年度 短歌道場in古今伝授の里 結果発表


短歌道場in古今伝授の里

◆開催日
平成27年8月16日(日)前夜祭・17日(月)本戦
◆会場
古今伝授の里フィールドミュージアム
(岐阜県郡上市大和町牧912-1 TEL:0575-88-3244)
◆内容
開会式、吟行、短歌道場本戦、表彰式、閉会式
◆審査員
(敬称略、順不同)
栗木京子(塔短歌会)
小塩卓哉(中部日本歌人会)
鈴木竹志(中部日本歌人会副委員長)
後藤左右吉(岐阜県歌人クラブ会長)
後藤すみ子(岐阜県歌人クラブ副会長)
木島泉(郡上市短歌教育関係者)
清水春美(郡上市短歌教育関係者)
金古のり子(郡上市短歌教育関係者)
青木修(郡上市教育長)


◆参加者
 *ジュニアの部参加者

(選手参加)郡上市内小学生9名、愛知県内小学生1名、郡上市内中学生4名、愛知県内中学生1名、愛知県内高校生8名、引率2名(全9校 計25名)

(監督参加)早稲田大学短歌会2名、立命館大学短歌会1名、愛知淑徳大学1名、同志社大学短歌会1名(全4大学・短歌会 5名)
 *大学短歌会の部参加者

愛知淑徳大学短歌会チーム5名、大阪大学短歌会チーム5名、京大短歌チーム5名、神戸大学短歌会チーム4名、上智大学短歌会チーム3名、象短歌会チーム5名、東京外国語大学短歌会チーム5名、北海道大学短歌会チーム5名(全8大学短歌会チーム計37名)


◆結果発表

*優勝チーム ジュニアの部
Eチーム 監督:柴田綾子 選手:青木彩夏、三島和華、池本遥音、木嶋瑠希亜、歳藤香衣
*優勝チーム 大学短歌会の部
京大短歌チーム 選手:牛尾今日子、北虎叡人、濱田友郎、田島千捺、松尾唯花
*準優勝チーム ジュニアの部
Dチーム 監督:野村歩歌 選手:星野明希子、二村菜月、臼田和哉、垣見泰地、金森圭祐
 *準優勝チーム 大学短歌会の部
愛知淑徳大学短歌会チーム 選手:久納美輝、清水千絵里、近藤匠、本目詩織、松田菜々
*最優秀選手賞 ジュニアの部
青木彩夏(愛知県立幸田高等学校)
「おそろしい徹夜おどりにのみこまれ隣のおじさん手を叩き出す」
 *最優秀選手賞 大学短歌会の部
牛尾今日子(京大短歌)
「生活にとれるボタンを縫ううちに遥かな丘の墓群を見る」
*特別賞 中部日本歌人会賞 
椙本昌義(北海道大学短歌会)
「常縁の遣いと思ゆ「この星で樹の声聞く」と言ひし子見れば」
*特別賞 岐阜県歌人クラブ賞
星野明希子(愛知県立幸田高等学校)
「旧水車水を呼ばずに生を呼ぶ石像も歩き出すかのやう」
*特別賞 角川『短歌』編集部賞
平野亜梨沙(愛知県立幸田高等学校)
「面接のノートを持っている私窓にぶつかる雨の日の蝉」
 *特別賞 角川『短歌』編集部賞
石井松葉(上智大学短歌会)
「先生のメガネの端に汚れあり(昨日の私の頬が当たって)」


◆短歌道場in古今伝授の里 詠草一覧

【ジュニアの部】
<第1回戦 Eチーム 対 Bチーム>                                
[Eチーム 監督:柴田綾子] 先鋒「湖に流れてく水はじけたら光に変わるキラキラキラッと」(歳藤香絵) 次鋒「しくしくと泣いている子がいたけれどぼくは木だからなぐさめられない」(木嶋瑠希亜) 中堅「穴の中もみじが1まい入ってたさみしそうだと私はおもう」(池本遥音) 副将「夏祭りカランコロンとげたのおととなりで君もカランコロンと」(三島和華) 大将「城下町郡上おどりの二列から三列に増す後継者たち」(青木彩夏)
[Bチーム 監督:入瀬翠]  先鋒「夏にはね家ですいかがとれるんだ家族みんなですいかを食べる」(加藤穂菜美) 次鋒「降りそそぐしずくが地面にはね返り私のくつにイタズラをする」(大野千尋) 中堅「雨の中人々の出会いまだ冷めず夜を彩る踊りは続く」(小林空) 副将「降りそそぐ雨つぶのボールはね返りみんなのくつにイタズラをする」(大野千尋) 大将「心地良き風吹き抜ける郡上市に夜店の列をゆっくり歩く」(大橋佳歩)


<第1回戦 Aチーム 対 Dチーム>                                
[Aチーム 監督:榛葉純]  先鋒「はれのときつばめが上であめのときつばめが下でこれも生きるため」(田代慶樹) 次鋒「雨がふり葉っぱに水が落ちているよくみてみるととてもきれいだ」(吉田羽那) 中堅「ため池に葉からしずくが落ちていくずっと広がる一滴の跡」(尾藤雪月) 副将「面接のノートを持っている私窓にぶつかる雨の日の蝉」(平野亜梨沙) 大将「地平線昇る陽を背に朝霧へ溶けゆく月と我が想ひ人」(出口綾夏)
[Dチーム 監督:野村歩歌]  先鋒「ぼんやりと遠く見つめる石像はどしゃぶりの中日差し待ってる」(金森圭祐) 次鋒「だくりゅうに草が必死にたえている流されないとがんばっている」(垣見泰地) 中堅「わらぶきの屋根から緑(コケ)のつらら垂れ僕の肩にヤスデが垂れる」(臼田和哉) 副将「夜もすがら盆踊り雨止まずとも賑わう夏の郡上八幡」(二村菜月) 大将「外人の親子の歩みやや速く郡上おどりの輪にはいりたり」(星野明希子)


<第2回戦 Dチーム 対 Cチーム>                                
[Dチーム 監督:野村歩歌] 先鋒「ぼんやりと遠く見つめる石像はどしゃぶりの中日差し待ってる」(金森圭祐) 次鋒「だくりゅうに草が必死にたえている流されないとがんばっている」(垣見泰地) 中堅「わらぶきの屋根から緑(コケ)のつらら垂れ僕の肩にヤスデが垂れる」(臼田和哉) 副将「夜もすがら盆踊り雨止まずとも賑わう夏の郡上八幡」(二村菜月) 大将「笑い声と片手に持つ郡上鮎齢は違えど無邪気な笑顔」(星野明希子)
[Cチーム 監督:濱松哲朗]  先鋒「木のはっぱ黄緑緑上と下同じ木なのになぜちがうのか」(奥田愛琉) 次鋒「木のはっぱひらひら落ちてうら表色がちがって不思ぎな感じ」(奥田愛琉) 中堅「はじめてのぐじょうおどりはげたの音人をさそって雨をさそって」(水野結雅) 副将「君と共神社の下で雨宿り鼓動高鳴り顔熱くなり」(都築未央) 大将「ザーザーと降りしける雨なめらかなやまびことなり私へ届く」(上野知哉)


<決勝 Eチーム 対 Dチーム>                                   
[Eチーム 監督:柴田綾子] 先鋒「聞きなれたげた音遠く行かないで追いかけつまむ君のゆかたを」(歳藤香衣) 次鋒「日があたりまっかなもみじがあるなかで光をほしがる緑のもみじ」(木嶋瑠希亜) 中堅「おどりげた1つになってならしてるおどりと音と1つになって」(池本遥音) 副将「モンキチョウ雨の中でもとんでいる緑の中に黄色がめだつ」(三島和華) 大将「おそろしい徹夜おどりにのみこまれ隣のおじさん手を叩き出す」(青木彩夏)
[Dチーム 監督:野村歩歌] 先鋒「ぼんやりと遠く見つめる石像はどしゃぶりの中日差し待ってる」(金森圭祐) 次鋒「ゆらゆらと夏の小川で小魚がひとりぼっちですずしさ感じる」(垣見泰地) 中堅「わらぶきの屋根から緑(コケ)のつらら雨は冷たくコケあたたかく」(臼田和哉) 副将「夜もすがら盆踊り雨止まずとも賑わう夏の郡上八幡」(二村菜月) 大将「旧水車水を呼ばずに生を呼ぶ石像も歩き出すかのやう」(星野明希子)



【大学短歌会の部】
<第1回戦 京都大学短歌会チーム 対 象短歌会チーム>                          
[京都大学短歌会チーム] 先鋒「ぼくの店は基地の近くにかまえますいつだってピーナッツを どうぞ」(濱田友郎) 次鋒「会えない日が続いて部屋にイヤホンの右耳のイヤーピースだけない」(北虎叡人) 中堅「ゆうぐれは憧れに似て足もとにあなたの影を踏まずに歩く」(松尾唯花) 副将「図書館の川は長良へ抜けてゆく本棚の奥をあらわにしつつ」(田島千捺) 大将「生活にとれるボタンを縫ううちに遥かな丘の墓群を見る」(牛尾今日子)
[象短歌会チーム] 先鋒「この海はさやぐのに適切でない、星迎の夜かがみとなった」(城前佑樹) 次鋒「頬に頬を重ねて泣いた 濡らすようにバスのランプを灯らせてゆく」(二三川練) 中堅「歯をたてるときへの蜜を詰め込んだ林檎とっくにがらんどうだよ」(櫛田有希) 副将「篠脇の河の絶えねばとほきより人の詠みてし歌は故郷だ」(本田悠斗) 大将「骨だらけ 戦争映画はうつくしくあり続けても消えてゆく海」(神崎千佳)
<第1回戦 大阪大学短歌会チーム 対 北海道大学短歌会チーム>                  
[大阪大学短歌会チーム] 先鋒「停電時自動着床装置付エレベーターのいきものらしさ」(渡邉瑛介) 次鋒「晴れの日がもっと嬉しくなる時の気持ちを恋と呼ぶんだきっと」(山田誠久) 中堅「戦争のことは未だに聞けぬまま祖母と花火の火の粉を見ている」(西改美希) 副将「篠脇の幾重の夏を思うとき後ろ髪へと抜ける山風」(山下花帆) 大将「自殺とは悪いことだと云いきられ穀雨、火星に向けて飛びたい」(守嶋牧緒)
[北海道大学短歌会チーム]                                       先鋒「この街の流れに沿ってはしらせる水色のバスレーンまっすぐ」(中村美智) 次鋒「花火のあとの火薬のにおいがまぼろしだと気づくまできみのことを抱きしめた」(石井僚一) 中堅「背伸びして手を伸ばしても届かないはずだった吊り革にぶつかる」(岡田彰悟) 副将「常縁の遣いと思ゆ「この里で樹の声聞く」と言ひし子見れば」(椙本昌義) 大将「朝靄のかなたに空母のふたつみつ飛ぶ矢のように静止していた」(小田島了)


<第1回戦 東京外国語大学短歌会チーム 対 愛知淑徳大学短歌会チーム>                
[東京外国語大学短歌会チーム] 先鋒「切りたての髪の香りに満ちる街 四肢の先まで陽ざししみ入る」(柳瀬大輝) 次鋒「マラルメを読めと言ったり先生か鞄の中で詩集は軽い」(中山かれん) 中堅「浮き玉のような脳(なづき)をいだくとき夜更け街路を埋めゆく紫陽花」(山崎春蘭) 副将「慈雨来たり 城の不在を映すまで墨色にみだるる水鏡」(西藤定) 大将「母姦す性持たざれば炎昼のしずもりアスファルトを抱けり」(山城周)
[愛知淑徳大学短歌会チーム]                                        先鋒「過ぎてゆく夏の速さを追い抜いてペダル踏み込む夕暮れのなか」(松田菜々) 次鋒「スペースキー楽しげに弾(ひ)く空白の軽薄さもって私が埋まる」(清水千絵里) 中堅「細長き黒を抱えたミサイルと死ぬためだけに生まれた蚕」(本目詩織) 副将「智の経過グラデーションで鮮やかに生まれし日より今へと続く」(近藤匠) 大将「骨壺を水に流して沈みゆく祖母はボトルシップとなるか」(久納美輝)


<第1回戦 上智大学短歌会 対 神戸大学短歌会>                             
[上智大学短歌会チーム] 先鋒「片仮名で闇と打ったらヤミミミミ小さな星が生まれて消えた」(篠崎紗英) 次鋒「言い訳が染みた唇引き剥がすつもりで凍ったグラスを出した」(石井松葉) 中堅「あのころのウチュウジンを探しては首めぐらせている扇風機」(篠崎紗英) 副将「「雨かしら」水面をゆくアメンボの嘘にだまされ空を見上げる」(佐藤郁実) 大将「愛なのか信仰なのか亡き夫(つま)を仏と呼んで手を合わす祖母」(石井松葉)
[神戸大学短歌会チーム] 先鋒「めちゃくちゃに歯を磨きたい百年後にはみんな死んでる」(貴羽るき) 次鋒「撫でられることを怯えない犬はここにはいない会いたいは嘘」(溺愛) 中堅「あの人と同じスーパーのお惣菜糸(いとへん)だけでも食べさせてください」(村上なぎ) 副将「またお会いしましたねってこのまちの裏道ひとつ教えてもらう」(緒川那智) 大将「落としたけれど割れなかった花瓶をぼくは捨ててゐるいまひかりのへやで」(溺愛)


<第2回戦 京都大学短歌会チーム 対 大阪大学短歌会チーム>                        
[京都大学短歌会チーム] 先鋒「ぼくの店は基地の近くにかまえますいつだってピーナッツを どうぞ」(濱田友郎) 次鋒「旅人としてのわたくし薄められゆく夏の夜に踊りつづいて」(松尾唯花) 中堅「会えない日が続いて部屋にイヤホンの右耳のイヤーピースだけない」(北虎叡人) 副将「図書館の川は長良へ抜けてゆく本棚の奥をあらわにしつつ」(田島千捺) 大将「生活にとれるボタンを縫ううちに遥かな丘の墓群を見る」(牛尾今日子)
[大阪大学短歌会チーム] 先鋒「真夏日の強さ蓄え響くのはメタセコイアの道管の音」(西改美希) 次鋒「ひだり・みぎ・ひだりと腕はしなやかに夏の夜へとかかる三日月」(山田誠久) 中堅「幻想に手をこまねいている内に全ての言葉が凍ってしまう」(守嶋牧緒) 副将「山々と抜けてまたもや山があり歌のあふれる里でたたかう」(山根花帆) 大将「無性生殖でよろしいですかその辺のソメイヨシノをきれいと言って」(渡邉瑛介)


<第2回戦 愛知淑徳大学短歌会チーム 対 上智大学短歌会チーム>                     
[愛知淑徳大学短歌会チーム] 先鋒「爪先が砂浜の砂と同化して海へと還る八月の午後」(松田菜々) 次鋒「太鼓持ち子持ち蜜蜂ないまぜに踊りのなかで呼吸(いき)する太鼓」(清水千絵里) 中堅「細長き黒を抱えたミサイルと死ぬためだけに生まれた蚕」(本目詩織) 副将「慈愛満ち母の腕(かいな)に包まれて紡ぎ重なる色々の声」(近藤匠) 大将「骨壺を海に流して沈みゆく祖母はボトルシップとなるか」(久納美輝)
[上智大学短歌会チーム] 先鋒「片仮名で闇と打ったらヤミミミミ小さな星が生まれて消えた」(篠崎紗英) 次鋒「拒まない引き止めもしない踊る背はハーメルンの笛に誘われるまま」(佐藤郁実) 中堅「先生のメガネの端に汚れあり(昨日の私の頬が当たって)」(石井松葉) 副将「生きている私もまちもごちゃまぜね絶えては続き続いては絶え」(篠崎紗英) 大将「いちまいの布裁つハサミが進むごと海を展開していく客船」(石井松葉)


<決勝 京都大学短歌会チーム 対 愛知淑徳大学チーム>                          
[京都大学短歌会チーム] 先鋒「ぼくの店は基地の近くにかまえますいつだってピーナッツを どうぞ」(濱田友郎) 次鋒「会えない日が続いて部屋にイヤホンの右耳のイヤーピースだけない」(北虎叡人) 中堅「ゆうぐれは憧れに似て足もとにあなたの影を踏まずに歩く」(松尾唯花) 副将「図書館の川は長良へ抜けてゆく本棚の奥をあらわにしつつ」(田島千捺) 大将「生活にとれるボタンを縫ううちに遥かな丘の墓群を見る」(牛尾今日子)
[愛知淑徳大学短歌会チーム] 先鋒「爪先が砂浜の砂と同化して海へと還る八月の午後」(松田菜々) 次鋒「スペースキー楽しげに弾(ひ)く空白の軽薄さもって私が埋まる」(清水千絵里) 中堅「細長き黒を抱えたミサイルと死ぬためだけに生まれた蚕」(本目詩織) 副将「慈愛満ち母の腕(かいな)に包まれて紡ぎ重なる色々の声」(近藤匠) 大将「骨壺を海に流して沈みゆく祖母はボトルシップとなるか」(久納美輝)